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第一回研究会、演題・要旨紹介

生物機能制御化合物ライブラリー機構の現状と将来展望
- 大学における創薬研究 -

I. 生物機能制御化合物ライブラリー機構の目標
ライフサイエンス研究において、研究成果の国民への還元の視点から“創薬”に言及することが多い。しかし、創薬の上流に位置する探索研究から下流の開発研究までを遂行するための基盤設備が大学等の公的研究機関において整備されてこなかったために、現在公的研究機関による本格的な“創薬”研究は実質上遂行できない状態にある。このため、日本の大学における “創薬”研究はこの基盤の欠如により諸外国に比べ著しく立ち後れている(III. 諸外国の現状を参照)。
生物機能制御化合物ライブラリー機構は“創薬”研究の基盤設備を整備し、化合物/薬理活性データあるいは疾患の生体情報などのデータを収集し、それらのデータベースを構築し、全国のライフサイエンス研究者の“創薬”研究の基盤を構築する事を目的としている。具体的目標として、疾患に関連するタンパク質などを研究している東京大学を始め全国の研究者との連携・共同研究に基づいて、“創薬”基盤設備を活用して、これらのタンパク質の機能を制御する化合物を見いだし、それを新薬開発につなげると同時にそのタンパク質の生理機能の解析、生命現象の解明に寄与する。特に、難治疾患、患者数の少ない稀少疾患(rare and neglected diseases)の治療薬の開発は製薬企業が主として経営的観点から研究を逡巡するため、死に至る重篤な疾患があるにもかかわらず、放置された状態になっているが、これらの難治・稀少疾患の治療薬の開発は公的研究機関が行うべき最重要課題である。
基盤整備により、国民への還元が可能な明確な出口の見える成果を挙げることができ、創薬研究者の人材の養成に有用であり、我が国の創薬力の底上げに貢献できる。

II. 整備中および整備すべき基盤設備
前記目的を達成するために必要となる基盤設備を以下に示す。
1. 十万種類を超えるロボット制御の化合物ライブラリー施設、化合物の収集(天然化合物を含む)/保管体制の構築(2010年3月時点で20万種類の化合物を収集・保管)
2. 高効率スクリーニングセンターの設置(スクリーニング機器の整備も行われつつある)
3. 理論創薬研究の基盤となるin silicoアプローチのための大型コンピュータ設備
4. 最適化研究のための化学合成センター
5. 毒性と体内動態などの前臨床試験のための関連設備
6. 創薬研究データベースセンター
これらの基盤に基づいて、大学等我が国の研究施設間で“創薬”研究のネットワークを構築し、疾患に関連するタンパク質などの生体分子を研究しているライフサイエンス研究者と連携研究・共同研究を行う。

III. 諸外国の現状
米国においてはNIH Chemical Genomic Centerを中心として、Molecular Libraries Initiativeの第一期Pilot Phaseが2004年より2008年まで研究総額$385M(約400億円)で行われ、この中で化合物ライブラリーの整備が行われ三十数万種類の化合物が保管・管理された。これを用いて全米10カ所にスクリーニングセンターを設け、新規医薬品の候補化合物探索研究が行われた。第二期のProduction Phase(2008年-2014年までの計画)が第一期と同規模予算で開始されている(Nature Chemical Biology, 5, 441-447 (2009))。EUにおいては半官半民のEuropean ScreeningPort等の組織があるが、最近ではEuropean Strategy Forum on Research Infrastructures(ESFRI)が創薬の観点から化合物ライブラリーおよびケミカルバイオロジーを取り上げている。アジアでは、韓国、台湾が積極的に化合物ライブラリーを構築しており、特に韓国では2008年より国のプロジェクトで合成された化合物は全て収集保管することが決められた。
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