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多能性幹細胞由来機能細胞の創薬研究探索ステージでの応用

株式会社リプロセル取締役CTO 淺井康行

要旨
 ヒトiPS細胞由来拍動心筋細胞を用いた創薬試験系QTempo®の実用化から2年半が経過した。さらに神経細胞、肝細胞の応用が始まっている。実用化から2年半の間に創薬研究者との活発な議論を通して幹細胞の創薬応用の理解も深まってきた。

 ヒトiPS細胞QTempo®を構築する1年前の2008年にサルES細胞由来拍動心筋細胞によるQTempo®を実用化した。当時、本系を評価した企業は多くはなかったものの、興味を持った海外のメガファーマや日本の製薬企業との議論を開始し、創薬試験系としての開発を加速した。

 その後、サルES細胞での経験を生かし、2009年4月にヒトiPS細胞由来拍動心筋細胞を用いたQTempo®を完成させた。ヒトiPS細胞由来機能細胞を用いた創薬試験系の実用化を世界で初めて達成したことにより、創薬における多能性幹細胞を用いた試験系の議論が急速に深まってきた。その後、神経細胞が実用化され、肝細胞は実用化における瀬踏み研究が開始されている。

 手を動かしながら議論を進めるうちに、創薬に使用する場合の機能細胞や試験系の一定性、安定性に議論が集中した。日本ではこれらを細胞や系の「標準化」という言葉で話すことも多い。表現はどうあれ、実用しながら問題点を見出し、問題点を課題に昇華し改善していく---いわば「走りながら考える」---研究者が積極的に本系の改善に向け声を上げた。議論の過程で、われわれは、使用直前に品質検定を行い、一定の品質を持っている系でのみ試験するためのチェック項目の設定や、試験系が安定して運用できる堅牢性といった観点でまず改善を進めた。また、試験が常に一定の幅の中での予測性能を持っているか、アッセイ系を自施設内で運用することを希望する機関・研究者に対してあまりに高い技術レベルを要求しないか、という点も重要であった。これらは今後も改善を進める。また、使用するiPS細胞や分化して得られた機能細胞の品質を含め、アッセイ系全体の品質の確認タイミングも重要である。一方で、一定の品質を持っている細胞試験系においてのみ、薬理学的な検証と応用が意義をもつという指摘が開発当初からなされていたが、これらの要件にも耐えられる水準となり、検討を進めてきた。

 現時点では、より効率的に使用するための課題や薬理学的検証についての課題はまだ多いが、課題をひとつひとつこなしながら本系の信頼性と適用拡大を図る。すでに「幹細胞を使用するかしないか」という議論はなく「幹細胞を使う上で、黎明期である現時点でどう進めるか」について世界は対話を進めている。そのために細胞にとどまらずアッセイに必要な器具や測定環境の全てを標準化の視点で検討し全体最適を進めたい。
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