重要なお知らせ

alerticonスクリーニング学研究会HPは移転しましたalerticon

ここは旧ページで現在更新されていません。新ホームページをご利用下さい。
新HPでの第3回研究会(記録)ページの場所は下記URLになります
[第3回研究会(記録) - スクリーニング学研究会](新HP)
新HPトップページ:http://screenology.org/

第3回スクリーニング学研究会 Workshop まとめ

A)Track A: ライブラリー構築
エーザイ株式会社
渡辺美砂子

第3回スクリーニング学研究会で開催された5つの分科会は、どれも魅力的で、参加者の皆さんにとって、どこに参加するか悩ましい問題であったと思います。残念ながら参加できなかった方のために、どのような話題があったか簡単に紹介し、雰囲気をお伝えしようと思います。
ライブラリー構築についての本分科会には、産学官から約20名の参加がありました。ライブラリー設計を専門とされる方、合成化学を専門とされる方、ライブラリー構築をこれから学びたいという方など様々な参加者が集まり、活発に意見が交換されました。
セッションは、参加者全員の自己紹介で緊張が解けたところで、事前アンケートの集計報告からスタートしました。ライブラリーのサイズ、凍結融解数や保管温度などのサンプル管理、ライブラリー設計に使用するフィルター、exclusiveライブラリー、天然物資源、オープンイノベーションなど、次々と話題が取り上げられました。サンプル管理やexclusiveライブラリーに対する考えは、二極化しているようで、それぞれの立場からの意見は、参加者にとって興味深かったのではないでしょうか。天然物資源は、全体講演で産総研・新家先生から報告された天然物ライブラリー、理研の天然化合物バンクなど、企業レベルでの取り組みが難しいぶん、アカデミアに対する期待があるようです。天然物化学・発酵学は、日本が得意とする学問分野であり、国外メーカーとの差別化という視点からの発言もありました。セッション終盤には、AstraZenecaとBayerが化合物ライブラリーを相互提供するニュース、エーザイとフォーマ・セラピューティックとの提携、創薬オープンイノベーションセンターのライブラリーなど、外部ライブラリーの相補的な活用が取り上げられました。創薬オープンイノベーションセンターのライブラリーは、参加者レベルでは興味があり、活用したいという意見が多いようです。成果の公開という点で企業内の理解を得づらいようで、参加者がそれぞれの企業に持ち帰り、社内で十分に議論していただけたらと思います。こうして様々な話題が取り上げられ、時間があっという間に過ぎてしまいました。セッション終了後は、懇親会で楽しく親睦を深めることができました。
最後になりましたが、アットホームな雰囲気の中、有意義な時間が過ごせましたことを、事務局の皆様、参加者の皆様に御礼申し上げます。スクリーニング学研究会、参加者の皆様の益々の発展を祈念しております。


B) Track B:HCS workshopショートサマリー
ファシリテーター;澤田先生(静岡県立大)、妹尾(中外製薬)
参加者 約35名

 自己紹介(所属、HCS/HCAの経験、所有マシン、一言コメント)
 所有マシンとしてはArrayScan、InCell analyzerが多い
 マシン未導入(検討中)、イメージング未実施のユーザーから、スクリーニングや高次評価として使い込んでいるユーザーまで幅が広い
 ベンダー参加:xx社

 自己紹介時のコメントを話題にディスカッション
 フェノタイプ解析について
 ターゲット同定の困難さ
 SARドライバーとしての数値化
 細胞について
 ヘテロな細胞集団の処理
 ポピュレーション解析
 iPS, ES, cell line
 遺伝子導入(stable, transient)
 イメージングによるスクリーニングの優位性
 プレートリーダーでは取得できない項目(初めから狙う/後からわかる変化も)
 形、局在、数、大きさ等
 プライマリースクリーニングに対する適・不適
 HCSマシンについて
 共焦点・wide field、明視野などのモードを使えるマシンも
 データ量、ストレージ(サーバー、外付HDD、DVDで個人管理)、保存期間
 解析ソフトの使いやすさ
 一方で高度な細かい解析ができるかどうか
 機種の違いによるデータの差異
 解析時の画像閲覧
 数字解析ソフトと画像表示ソフトの連携
 濃度依存アッセイの全画面表示

結論が出るようなディスカッションではなかったものの、一定の情報共有という目的は果たせた。
参加者ニーズがかなり広かったので、深い情報交換とはならなかったように思える。
発言者に偏りあり(経験者ユーザーからの発言が多い)。
マシンの仕様や性能の話題になると、メーカー担当者がいた方が正確な情報を得られる。
逆に、メーカー担当者がいたため話せない内容もあった。
HCSマシン技術進歩の割に買い替えが容易でないため、最新マシン使用感の情報共有は困難であった。
事前アンケートを取っていたが、有効活用ができずじまい。

以上


C) Track C: 「データ処理、マイニング」 報告
ファシリテーター JT医薬総合研究所 堀 浩一郎

参加者をお互いに知っていただくことが大事であると考え、今回も自己紹介をお願いしました。全体の時間が1時間半しかないのでお一人15秒程度ということで、所属・名前・担当業務に加えて趣味を紹介いただきました。懇親会での交流にお役に立てていれば幸いです。
最初に事前アンケートの集計結果について、参加企業・大学の状況を紹介しました。その後、ディスカッションしたい内容の集計結果を紹介し、半数以上の回答者が興味ある話題について優先的に議題にすることとした。
最初に議論のネタふりの意味も込めて、塩野義製薬さんよりデータ解析ソフト、ヒットクライテリアに関する事例紹介をいただきました。IC50値の算出方法や特異性試験での活性乖離度のクライテリア設定、ヒット化合物の選抜の際のHill係数やLE値の扱いで質疑・議論が多く、皆さんがヒットクライテリアやヒットの選抜方法に興味を持たれている話題と感じました。
データベース、データ解析ツールに関しては、最近台頭が著しい「Genedata」の話題で盛り上がりました。製薬企業ではHTSデータのデータベース化はほぼ完了していますが、大学ではほとんどデータベース化が進んでおらず、まだExcelで管理しているところが多いという実情も明らかになりました。これまでのHTSで蓄積された貴重なデータをより戦略的に活用できないかという話題については、Multiple Hit化合物を検出して排除する戦略がほとんどで、それ以上に活用できていないのが現状でした。
SAR以降のデータについては、まだデータベース化できていないというところからシステム化されているところまで様々で、各社で苦労している状況でした。一方でHTS以後のデータをデータベース化する意義・利便性をどのようにして薬理担当者に示していくのかが難しいという意見もあり、薬理データの利用価値をいかに高めていくのかも重要なポイントとなりそうでした。
可視化ツールについては多くの企業でSpotfireが導入され満足しているとのこと。一方でケミストに対しては生データ、用量依存性の詳細まで理解させるのは難しく、サマリーをいかにわかりやすく提示するのかが重要で、ISISの単票形式で見せる方法やPipeline Pilotのレポートで提示する方法などを議論しました。
今回、初めてベンダーさんも出席するということで、ツールに関する議論・知識の公平性を担保するため、ベンダーさんには基本的には議論に入っていただかないようにしました。トピックとなるようなツールのベンダーさんから簡単にツールの特徴を紹介できるような時間が取れれば有益と思いました。
全体を通して「データ処理、マイニング」という議題だけで議論するのは難しく、その先にあるヒット選抜、クライテリア、化合物のリード性、リード最適化に話がどうしても及んでしまいました。次回はより守備範囲を広げて、「ヒットtoリード、リード最適化」という切り口で議論できればと感じました。


D)Track D: PPI(蛋白蛋白インターラクション)
 先ずは、事前アンケートの集計結果を皆さんに提示。
主に、PPIのスクリーニングに対する姿勢を問うた内容のアンケートでしたが、これまでの経験で、成功例は極めて少ないながらも、今後もPPIに挑んで行きたいとの思いがかなりあると感じられるアンケート結果でした。

次に、新家先生から産総研で実施してきたPPIアッセイに関してのプレゼンがあり、例えば、PPIスクリーニングを実施した数十のターゲットリストやそれらのヒット率などの提示や、蛋白質が相互作用する蛋白形状と得られた阻害剤に対する考察などの紹介等々があった。
その後、自由な意見交換に入り、PPIに関する様々な質問や意見などがなされた。
例えば、当初に実施したHTSで成功体験を得たために、その後も継続的に実施してきた期間もあったが、全く良い結果は得られなかった等の話もあった。また、5000検体のHTSを実施した段階でノーヒットの場合に、その後のスクリーニングに対する考え方についての意見交換や、産総研へのスクリーニング実施依頼の可能性などについても触れられるなど、様々な視点でディスカッションが行われた。

最後に、現時点での世の中の代表的なPPI成功例の紹介もあり、その化学構造とそのターゲットの紹介や、NMRによる蛋白質相互作用ポケットの解析や、ソフトウエアを使ったPPI阻害化合物の得られやすいターゲットの解析例、PPIのリガンドや阻害化合物の結合の強さとリガンドエフィセンシーとの関係などの報告例などが提示された。

参加者が約50名程度と大人数であったために、討論や意見交換のしやすいデスク配置にできなかったこともあり、ディスカッションの場という意味では更に工夫の余地はあろうかと思うが、新家先生の提示した数多くのデーターやその他資料を目の前にして様々な意見に触れるなどして、今後のPPIアッセイを考えるよい機会になったものと思われる。

以上


E)Track E: 化合物管理
下記の順で意見交換を行った。
・アンケート結果報告
・全体講演の要約
・進行役からの話題提供(2題)
・上記話題について全体での意見交換

化合物管理に携わる研究者は、管理の手順・条件等について、各自が置かれた研究環境に応じ種々選択・判断をしながら業務を進めている。事前アンケートでは主に溶液サンプルの管理を行う上で行った選択結果を回答してもらった。回答の概略は下記の通りであった。

1.保管時のSolventは?  DMSO
2.保管温度は? 最低-30℃ ~ 室温
3.保管環境は? cap ~ Argon封入
4.保管量は? 100 ~ 1000uL程度(例外もあり)
5.保管濃度は? 2.5-5mg/mL, 4-100mM & 両者併用
6.QC方法は?
   -純度は? 対象により部分あるいは全数測定。主にLC-MS利用
   -分注精度は? 分注機器の定期点検等、プロセス管理による対応が主
7.現在最も興味のある事は? QC/QA関連事項等
8.Any Comments/Any Questions

アンケートへの回答に加え、全体講演の演者とWS進行役からの話題提供を元に意見交換を進めた。アンケート回答は、参加者の今後の業務・問題点解決に役立てられるよう、その背景についての意見交換を行い、一方的なQ&Aにならないよう努めた。
なお、「現在最も興味のあることは?」という問いに対してはQC/QAに関係する事項が最も多く、提供された話題も合致していたため、この点に関してもう少し踏み込んだ議論を予想していたが比較的おとなしかった。熱くなるのに必要な時間と雰囲気が足りなかったためかもしれない。一方、市販消耗品の品質について自社の経験を元に質問をして下さる参加者もおり有益な問題提起となった。
「Any Comments/Any Questions」には種々回答があり一部は流れの中で意見交換できたが、いくつかは十分に触れることができなかった。
全体的には参加者の背景が多様であるため一般的な問題についての意見交換が主なものとなり、事情によっては発言できない参加者がいたかもしれない。それでも様々な回答があり懇親会での一段深い議論の話題提供にはなったのではないか。今後、より良い雰囲気が醸成されればWorkshopでの活発な議論が期待できる。
Sponsored link


This advertisement is displayed when there is no update for a certain period of time.
It will return to non-display when content update is done.
Also, it will always be hidden when becoming a premium user.